廃絶家再興(旧規定)
廃家又は絶家により家が消滅した場合でも、一定の条件のもとに再興すること。この再興は、家名のみを再興するものにすぎず財産などを継承する家督相続ではなかった。
廃絶家再興の主な要件は次の通りである。
家族は戸主の同意を得て廃絶した本家、分家、同家その他親族の家を再興することができる(改正前民法743条)
法定推定家督相続人や戸主の妻、女戸主の入夫は廃絶家がその本家である場合に限って再興することができる(改正前民法744条)
新たに家を立てた者に関しては自由に廃家して、本家、分家、同家その他親族の家を再興することができる(改正前民法762条)
家督相続によって戸主となった者は、廃絶家がその本家である場合に限って、裁判所の許可を得て現在の家を廃家した上で本家を再興することができる(改正前民法762条)
離婚または離縁によって実家に復籍すべき者が実家の廃絶によって復籍することができない場合には再興することができる(改正前民法740条)
廃絶家の再興は市町村長に届け出ることを要する(旧戸籍法164条)
再興した者はその家の戸主となり廃絶家の氏を称するが、廃絶家前の債権・債務など各種の権利・義務を引き継ぐ訳ではないため、単に家の名を残し、本家と分家といった家系を残す程度の効果しか無く祭祀相続としての意味合いが強かった。